バルナック型ライカ フィルムの入れ方
バルナック型ライカはフィルムが特に入れづらい。ここでは一般的なバルナック型ライカのフィルムの入れ方である3つの方法を載せる。

とりあえず・・・
とりあえず、底蓋を開けスプールを引き抜く。先端をつまんで引き抜く。結構力いります。
はい、引き抜けた。
フィルムの先端をこのように差し込む。
このように装着し、スプールとフィルムを平行にカメラに沈み込める。
何もせずに、フィルムを入れるとこのように、フィルムがカメラ内部の撮影枠(フィルムアパーチャー)にぶつかって入らない。これはバルナック型ライカの裏蓋が開かないために起こる。M型ライカは裏蓋が開くのでだいぶフィルム装着が楽になった。
※写真は解説しやすいようにシャッター幕を開けてますが普通は閉じていますし、レンズを装着しているのでアパーチャー越えはなにもしないと難しいのです。
これゆえバルナック型ライカのフィルム装着は難しいのである。このアパーチャー越えに3つの方法がある。

フィルムカットする方法
ライカの取説でも紹介されているもので、これが公式なフィルム装着方法である。
要は、フィルムアパーチャーにぶつかる部分をカットするのである。
写真のように、純正、他社製のフィルムガイドを合わせて、ナイフのようなものでギザを作らないようにカットする。ささくれを作るとそこからフィルムが破け、カメラ内部に侵入しシャッター機構を破損させる原因にもなりかねないので注意である。
上手くなれば、はさみで適当にカットしても出来る。長さの目安としてはパーフォレーション20穴くらい。くれぐれもささくれは作らないように。
後は、上記したように普通に入れる。当然フィルムアパーチャーにフィルムがぶつからないのですんなり入る。
カメラにフィルムを沈み込めた後に、少しフィルムを巻き上げてみてちゃんとスプロケットにフィルムの穴がかみ合っているか確認する(写真の赤丸)。かみ合っていないときは、もう少し巻き上げて見る。いつまで巻き上げてもかみ合わないときは、やり直し。
このフィルム装着の弱点は、あらかじめカットしたフィルムを用意しなければないらないことである。急ぎでフィルムを買っても、当然カットされていないので、そのときは次の方法を使う。まあ、ハサミをいつも携帯していれば別だが。

カードを使った方法
この方法は、たぶん最も多くのバルナック型ライカユーザーが利用している方法だと思う。あらかじめ、フィルムガイドを使ってカットするような手間がいらないからだろう。
テレカのような硬質で薄いカードを持っていればいいのだから手軽である。最近はテレカはあまり見かけないが、各社ポイントカードがその代役を大いに果たす。
左のようにカードを差し込む。しっかりとつかえる所まで差し込む。このとき、ちゃんとフィルムアパーチャーを全部ふさぐように。
そしてフィルムをカードとフィルム圧板の間に滑り込ます。下までちゃんと入れたら、後はフィルムカットの方法で載せたように、チョット巻き上げてスプロケットとのかみ合いを確認する。
この方法の弱点は、少々時間がかかることだ。それから、忘れずに常にカードを持っていなくてはならない。まあ、財布にポイントカードの2,3は入っている人は問題ないが。

シャッターをタイムにする方法
この方法はバルナック型ライカのフィルム装着の最終兵器である。フィルムカットもカードも忘れてしまった時に利用すると良い。バルナック型ライカの3つのフィルム装着の中では一番時間がかかるのが難点だ。しかし、何も道具なしに出来るというのは知っていて損はない。
まずはシャッターをスローにして、スローダイヤルをタイム(T)にする。そしてシャッターを切る。そうするとシャッター幕は開きっぱなしになる。
シャッターを切る前か切った後でも良いが、レンズは外しておく。
要は、撮影枠(フィルムアパーチャー)にフィルムが引っかかるのを避ければよいので、このように指で乗り越えさせてやる。
後はフィルムカットの方法で載せたように、チョット巻き上げてスプロケットとのかみ合いを確認する。
レンズを外したり付けたりするのに時間がかかるが、とにかく緊急時にはつかえる方法である。

