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ライカを買おう>ライカを学ぶ>ライカの買い方機種別ライカの買い方

機種別ライカの買い方

ライカの買い方を機種別に見てみよう。ひょっとするとお手持ちのライカにゾッとすることが見つかるかもしれないので、精神衛生上ライカを愛でる人は読まない方がよいかもしれない。逆にこれから購入を考えている人は、読んで欲しい。ここで紹介されていない機種は近い機種を参考に。尚M型、バルナックだけでご容赦ください。



ライカ全般

オーバーホール(OH)や修理前提で買うなら問題ないが、出来ることならすぐに使えるライカを買いたいものだ。修理前提と言っても激しくぶつけたヘコミがあるようなものは、調整外のズレが生じているものもあるので避けるべきだ。でないと、ファインダーブロックごと交換しなくてはならない高額修理になったりする。月並みで悪いが、簡単なチェック項目を述べる。

●外観チェック
ボーダーラインのところで述べたが、どこまで許せるかだ。神経質な人がルーペを持参してチェックしているのを幾度となく見かける。上記したように激しい当たりはされるのが無難だ。
細かいことだが、アクセサリーシューがちょっとへこんでいる機体を結構見かける。ファインダーなどをつけたい人は要チェックだ。M6以前のライカはストラップ取り付け金具がかしめてあるだけなので、ガタがないかチェック。また巻き戻しクランクをぶつけてガタついているものもよくある。M3のところで詳しく述べるが、グッタペルカ(ボディーの革張り)のペコペコチェック。M4などに多く見かけるが、バックドアがパコパコ安定しないものが結構ある。M3の初期はバックドアに突起がつけてあり底蓋をはずしても自然に開くことはないが、M3途中からこの突起がなくなってしまい、どのM型でも裏蓋を撮ると勝手にぶらぶらとバックドアが開くようになってしまった。これが工作寸法のよいバックドアならしっかりと固定されボディーと一体化するのだが、時々パコパコ音がするくらい安定してないものが結構ある。これは修理に出してもほとんどよくなって帰ってきたためしがない。気になり出すと気になるもので、そう言うものだと思ってしまえばそれまでだし、神経質になれば静かな場所でパコパコ確認したりする。まあ実際撮影に影響はないのだからそんなに気にしない方がいい。相当気になるなら、バックドアだけ交換してみると結構安定したりもするし、ボディーにモルトを貼ってはいかがだろうか?

●シャッター
実際にシャッターを切ってみる。1秒から8分の1秒くらいまでは実測で分かる。後は順に切ってみて音やシャッター幕のスリット幅でだいたい順々に変化してるかをチェックする。スリットがちゃんと開いているかもチェックする。詳しくは自分で修理・調整法を見てもらいたい。
後は低速ガバナー音のチェック。1秒でシャッターを切ると切れた後にジーーとゼンマイ音がするが、これが1秒なら1秒くらい長いのが普通だ。また音も一定で、波打っていたり、弱々しかったら調整不足だろう。
またM型では1/30と1/15の中間速度(M3の初期では1/25と1/10)で、シャッターが切れた後シャンシャンという余韻音が分かる。これはシャッタークッションスプリングが戻る音なのだが、この音がとぎれたり、しなかったりするとやっぱり調整不足だ。
後はシャッター幕のチェック。明るいものにかざして穴など開いてないかチェックする。

距離計
店先でチェックできるのは無限遠が合うか確認するくらい。無限と言っても300メーター以上遠くのものでないといけない。
最短撮影距離のチェックは実際にフィルムで撮影してみるしかない。このとき最短撮影距離にピントがこないからといって、自分でコロのネジを動かし調整しても今度は無限遠がずれてくる羽目になるので、下手に自分でいじらない方がいい。ずれていたら買った店の保証を使い調整してもらうことだ。詳しくは自分で修理・調整法を参照に。
まあ、被写界深度の浅いノクチルックスを使うわけでも、厳密な複写をするわけでもないのでここはおおらかに、だいたいよく使うレンズの解放深度に収まっていればよしとしなければ精神衛生上よくない。

●ファインダー
気にならない人は全く気にならないのだけど、カメラにとってはファインダーの見えは命です。特に後からくよくよする性格の人は状態のよいものを選んだ方が無難。埃の混入が気になる人が多い。
カメラ屋の薄暗いところでチェックしてよしとしても、いざ都外の明るい所で撮影していると、フレーム枠や測距部に埃やプツプツとした気泡のようなもの見つかることが多々ある。チェックはとにかく明るいものにかざした方がいい。

●買った後に
買った後でしかチェックできないこともある。最短撮影距離のピントチェックは上記したが、撮影フィルムのコマ間だ。特に古いライカはコマ間が安定してないどころか、撮影画面が重なってフィルムに写ることがある。M3の初期に多い。まあ古いライカですから画面が離れてればまあよしとしよう。結構修理に出しても直らないこともある。
それから露光ムラ。フィルム画像の右と左で濃度が違うのがそれだ。空など画面全体が均一なものを撮影すると分かる。これは先幕と後幕のスプリングテンションの違いからきている。ひどいバラツキだとシャッター幕が全く開いてない状態もある。これは買う前にチェックできるだろう。詳しくは自分で修理・調整法を参照に。

M3の買い方

M3これぞライカの帝王。M3知らずしてライカを語るな、と言われるくらい王様なのだ。M型の中で一番最初に発売された。あまりにも完成度が高いため、現行品のM7までその域を出ていない。結果、ライカの経営難を招いた魔性のライカ。

M3のファインダーに出るフレームは50ミリ、90ミリ、135ミリなので、ほとんど場合50ミリレンズがつきっぱなしになる。その代わりファインダー倍率は0.91倍と高く、50ミリレンズ以上を使うにはM3に限る。M2以降のモデルは0.72倍だから35ミリを使うにはちょうどいい。M3を買ったときの特典としては、「フレームが50ミリからしかないから、レンズも50ミリだけでいい」という割り切りが出来て、レンズの増殖病を防ぐことが出来る。と言っても35ミリレンズが欲しくなり、M4まで買ってしまうことが多々あるが。

また、生産台数が多いから値段もこなれているからうれしい。程度によりけりだが、安い物で10万円を切っている。高いものをいったらきりがない。だいたい15万円くらいで納得がいくM3は買えるだろう。
またバージョンも多く、詳しくはライカ・コンタックス ブログで勉強してください。
注意点はライカ・コンタックス ブログからそのまま引用しますと、

問題の多くはファインダーのブラックアウトでしょうか。中にはベットに投げただけで、バルサム剥離がおこりお釈迦になったという経験談もあります。カメラ業者にしてみれば、これは深刻な問題で、海外からの輸送で結構あるみたいです。こういったことを聞くと、M3を慎重に取り扱わなければならないと思ってしまい、出動機会が減るということになるわけです。
それから、グッタペルカ(ボディーの革張り)の剥がれが多い。見た目は剥がれた箇所などないように見えますが、さわってみるとペコペコ浮いている剥がれる前の状態のものが多いです。特にバックドアです。M3の状態のよいものをお探しなら、ネット通販、オークションはまず止められた方が賢明です。
あとは、50年近い昔の機種だから仕方ないのですが、ファインダーのバルサムの劣化・若干の剥離(正面から見るとガラスの縁が油をつけたようにキラキラする)や、二重像の黄化・劣化(強光に照らすとプツプツとしている)があります。
バルサムの再蒸着などやっている修理屋もありますが、精度がでない(二重像ないで右左の測距に差がある)ことがほとんどですのでご注意。結構、部品交換、付け替え、二個一など修理を含めいじられてるものがほとんどですので、ライカ純血主義の方はオリジナル部品ではないところを探すのに大変です。

となります。あなたのライカはペコペコ、キラキラしていませんか?
上記してはいないがオリジナルにこだわる人は、裏蓋をあけてフィルム装着の絵が描いてあるプレートをはずすとシリアルナンバーが書いてあるので一度見てみるといい。これがトップカバーと同じ番号が当たり前なのだけど、違った場合は外見と中身が違うヘンテコライカ、残念というしかない。またツーストロークで巻き上げのレバーのスプリングが劣化しズルズルと巻き上げが滑るものがあるので注意。

チェック項目は多いが、初めてのライカがM6だったりすると、必ず数年後にはM3を手にしている。ライカの巻き上げ感触やシャッター音の静寂さの極みはM3の初期型(スプリング巻き上げ・セルフタイマーなしのライカ)にあり。後期のラチェット巻き(現行品と同じ)ではとろけるような巻き上げは体験できない。買うならスプリング巻き上げのツーストローク(ワンストローク変更後の初期にもスプリング巻き上げは存在し、これが一番なめらか感触)。

それから何故かM3の初期型はフィルムコマ間が狭いものが多い。たぶんそう言う作りなのだ。しかし、調整が悪かったり、壊れていたりすると画面がくっついたり重なったりすることがある。こればっかりは実際に買ってからフィルムで撮影しないと分からない。初期型ライカM3のフィルム巻き上げはしっかりちゃんと2回で巻き上げること。私の経験上、2回巻きをミスって3回で巻いたりするとコマ間がくっつくことがあった。

M2の買い方

M2M3かM2か、この選択はまるで人生の選択のように重大な問題になった時期もあった。3という数字は昔のライツ社の中でフラッグシップであること意味する。私は初め、ライカM型で一番古いものは、番号が若いからM1だと思っていたが、M3なのだ。バルナック型ライカでもそうだが、3がフラッグシップで、2はそのスペックダウンモデル、1はさらにスペックダウンモデルを意味する。これはM4からは当てはまらない。

ライカの中では最もバージョンが多い。詳しくは新M型ライカのすべてと言うライカ本を買って欲しい。とても参考になる。

M2は値段的にこなれていて、しかもライカビット(M4、M3はつけられないので残念だ)をつけることができる。値段はM3と同じくらい。また、フレームもさっぱりと1焦点1フレームで、潔いカメラ。気をつけなければならないのは、ほとんどがファインダーバルサム劣化の持病(ファインダーを正面から見て、縁の方から油がしみたようにキラキラしている)を持っている。買うときは、完全な劣化のないものを探すより、程度のよいものを探した方がいい。M3と同様に、グッタペルカのペコペコも多い。

M4の買い方

M4M4はライカの完成系であると言ってもいい。生産台数が比較的少なく、ステータスシンボル度が高いので、値段も高い。20万前後と言ったところだろうか。私自身、M4が一番スタイルのいいM型だと思っている。




注意点

M4のごくごく初期に巻き戻しクランク部から光線漏れがあったとしている。が、後から直されたものも多いので実際にどうなのか分からない。臆病な人は最初のロットを買わないこと。ライカM型シリアルナンバーを参照に。

M5発売後に生産されたライカはカナダで再生産されたもの。ブラッククロームは全部カナダ製。シルバークロームでも138万台からがカナダ製で、その後のM4-2やM4-Pの冬の時代に通じる製品のバラツキやガサツ感が感じられるものが多い。あたりを引けばいいですけどね。ちなみにあこがれのKE7Aもこの時代のもの。さすがにさわったことがないですから、質的にどうなんでしょうかね。138万台以前にもカナダ製は結構あり、ライカM型シリアルナンバーでcanadaとかCLEとか書いてあるのがそれにあたる。

全般の外観チェックのところで述べたように、バックドアがパコパコするものが結構ある。パコパコしないM4を当てる方が難しいかもしれない。まあこのパコパコは気にしないこと。M2まではパコパコはあまりなかったのに、どうしてだろうか?

M4は後のM4-2以降の機種と外観部品の互換性があるので、クランクなどM4-2以降のものに交換されてるものが多い。M4のオリジナルクランクはRと矢印の刻印があるのですぐに分かる。ブラッククロームには刻印はない。

M5の買い方

M5ライカ・オールドジェネレーションの最後。作りのよいライカはここまで。M5の次のM4-2やM4-Pからは、ライカ冬の時代の始まり。

注意点
一番怖いのが、メーターの故障。部品がないだとか、修理代が高額だとか。中古屋でも当然、メーター保証外が多い。当たり前か。電池も売っていないのが当たり前で、アダプターを介しますが、これが下手なものをつかまされると電圧の違いかなんだかでメーターが壊れます1.5Vに改良されたものが結構あるが、ちゃんと出所がわからないと買うのは怖いですね。持病としてはシャッターブレーキが壊れやすいし、ファインダーのバルサム剥がれがある。これはもうどうしようもない。まあシャッターブレーキ破損対策としては保管するときに7割程度巻き上げておくことでしょうか。全部巻き上げてしまうとバッテリーが消耗しますからね。それでも当然壊れるときは壊れます。あろう事か、特に134万台以前の127〜8万台はシャッタードラムがもろいのです。134万台は改良されているらしいです。

M5のメーターがシャッター幕の前にニョキッと出てくるから沈胴式のレンズも注意。沈胴出来るからエルマーは格好いいのに、それすら出来ない。スーパーアンギュロンのようなシャッター幕ギリギリまで後玉が出っ張っているものも危ない。間違って装着したまま、巻き上げってしまったらメーターが破損してしまう。

なんかとってもデリケート。でも、ホールドしやすいとかいって近年評価があがり値段も上がった。ここら辺がへんてこライカイズムのなだ。他のM型ばかり見慣れた目だと、とっても存在感があるのは確かですが、臆病者が使うものではないですね。ちゃんとメンテ代を惜しみなく出せる人が使うものです。ホントに大ライカ万歳である。

M6の買い方

M6ライカ・ニュージェネレーションならぬ、ライカ・ロストジェネレーション
M3やM4などの作りのよいライカを常時使っていると、M6をさわったとき何かが違うと気づく。何だかプラスチック製のボディーのような感触がしたことを覚えている。なれてしまえば、こう言うものだと思い気にならなくはなるが、やっぱりライカにしては安っぽさが漂う。ライツ社が経営難により、吸収合併されライカ社となった時期でもあることに起因するのだろう。

現行のM7はそう言ったスペック表には載らぬ精密感が戻ったという人は多い。しかし、M6TTLから始まったたかが2ミリの背高は、やはりM型のバランスを崩している。

M6はM4-Pもそうであったが、ファインダー内の測距部分が光の当たり具合で、ハーレーションを起こす。たちまち、測距不能になのはいただけない。ライカ社もそのことは承知していて、3万円くらいで改良修理を受けつている。M6TTLの途中からはハーレーションは改良されている。
またM6の初期ロットは避けた方がよいだろう。なぜなら、内蔵露出計の不具合があったからだ。ライカの製造番号で見て欲しい。ライカM6の初期はまだ合併前であるから、あのボディー全面の赤丸ロゴが現在のLeicaではなく、Leitzとなっているのでシリアル番号をチェックする前にある程度絞り込める。

M6はまだ新しい機種であるから、ファインダーが曇っているとかバルサム剥がれがあることはない。しかし、評判が悪い機種としては、まだ中古市場に顔を出したばかりなので値段も高い。15万円前後といったところだろか。また、初期ロットからは20年が経過しているので、比較的最近に近い物を選んだ方が得だ。製造期間が長かったので、油ぎれの目立つ物も多い。上記した、Leitzロゴの物はちょっとだけ稀少価格が上乗せされているのであまりおすすめしない。当然初期ロットも混ざっている。

M6は使い倒す、機種としてお勧めする。露出計のチラチラした表示がじゃまだ言う人は多いが、あって損なことはないだろう。初めてライカを買う人は、買わない方がいい。ほぼ6割方、次にM3かM2、M4を買っているからだ。ライカは1台だけと言う人も同じだ。



バルナック型ライカの買い方

たいていの人は初めにM型を買う。そしてライカ病に一寸でも犯されたなら、いつの間にかバルナック型を手にしている。最終的にはA型で止まる。

バルナック型ライカを買うキーワードは、第二次世界大戦だ。1939年のドイツ軍ポーランド侵略から1945年の終戦まで。実際には戦争が始まったときはドイツは調子がよかったのでよいが、途中から戦後の混乱期までの時期のライカは作りが悪いとされている。ちょうどVcだ。

逆に作りのよいバルナック型ライカは、戦後の混乱が安定したVfからのバルナック型か、戦前のVbまでだ。買うならこの時期のライカがよいと思う。特にVfはバルナック型の完成形だし、DUはバルナック型の典型だ。VgはM3の後に製造され、作りがよく値段も高いが、正直バルナック型のデザインを崩している。

バルナック型は一部の物をのぞけば値段もこなれており、10万円を下回る物がほとんどだ。また、戦前のバルナック型の革張り(バルカナイト)は粘りがあるのか伸びるのか、あまり剥がれている物は見たことがない。外観を気にして購入にする人にお勧めだ。フィルムの入れ方はライカの使い方を参照に。



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