粋なライカ
粋なスタイル
粋なライカがある前に、粋なスタイルがある。特に出来そうで出来ないことは、「カメラはライカ1台だけ」というスタイルだ。なかなかカメラを1台にすることは出来ない。特にライカは勝手に増殖していくのである。俗に言うライカ病だ。しかし、渋いオヤジが使い込んだバルナック型ライカなぞをスッとポケットから取り出した日には、相当格好いいではないかと思う。
チグハグなレンズをつけない。ボディーとレンズの製造された年代をあわせると言うことである。ブラックボディーにブラックレンズとは言わないが、やはり年代はあった方がスタイルがよい。M3に現行のアスフェリカルレンズとか、M7に赤エルマーだとか、実用やレンズ遊びには良いかもしれないが端から見ると相当格好悪いのである。

バルナック型ライカ
A型(T型)
粋。ライカユーザーの終着駅かもしれない。何せ50ミリレンズがくっついて離れないので、レンズはどれが良いとか悩まなくて言い。目測で速写する姿は、玄人を感じる。
DV(V型)
名前が粋である。ホントはV型なんだけど、アメリカの呼び名とライツの呼び名が合わさっている。T型は種類が多いからABCで分けていたけど、U型がでたら、今までABCだったからD型だ、なんてアメリカ式にしてみたが、U型時代から本家ライツに習って日本でも数字で表記し始めた。面倒だからアメリカでもドイツでも通じるようにDUと呼び始めた。実際にはV型はアメリカではF型、そのちょっと前の発売のライカ・スタンダードがE型。V型はU型のバージョンアップだから日本ではV型をD型の一種と考えDVとした。DVはアメリカからの独立心が芽生えがかいま見えるのである。
Tf
アクセサリシューが2つ付いている。スローダイヤルがTcの様にただのかぶせ蓋ではなく、シンクロソケットになっている。50ミリの外付けファインダーはこのライカのためにある。「ライカはスナップ写真、距離計なんぞでチマチマやってられないし、暗くなったら家に帰るもんだ。」と言う割り切った粋がある。

M型ライカ
M3
2回巻きの出来るM3の初期型が粋だ。M型ライカは全て分割巻き上げが出来るから、2回と限らず3回4回に分けて巻き上げて良いのだが、何だかチョットわざとらしいかっこよさがある。分割して巻き上げるのは、撮影のリズム、とか言っている写真家もいるけれど、何だか鼻にかかる。実際、1回で巻けるならそっちの方が早いし、ラチェット滑る故障にもなる。
そう言った意味で2回巻きを絶対にしなくてならないM3初期は粋だ。
M2
M3の廉価版という位置づけだったが、もはや35ミリフレームの思想なるものがそこにある。当時は報道関係者・ドキュメンタリー作家に重宝されたようだ。M2は唯一、1焦点1フレームである。と言っても35、50、90の3つである。M3は50ミリフレームがデッ放しだし、M4は35ミリフレームの中に135フレームが入ってしまった。それ以降はフレーム数が増えるばかりだ。M2にはある種、潔さなるものを感じる。

