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ライカを買おう>ライカを学ぶ>レンズ解説Lマウント50o

エルマー(ELMAR) 50o f3.5

エルマー(ELMAR) 50o f3.51930年
製造本数:310000本
シリアル:番号なし-760000
レンズ構成:3群4枚
最小絞り:f18、f16、f22
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:36o
フード:FISON、FIKUS(12530)


赤エルマーバルナック型ライカのこれぞスタンダード。良きカメラに良きレンズありとはよく言ったもので、このレンズ無くしてライカの名声はなかったであろう。実に30年近く製造されたのでバリエーションが最も多いレンズである。大別すると7種類になる。詳しくはライカ・コンタックス ブログを見て欲しい。

FISON 初期沈胴レンズであり。沈胴レンズと言ったらエルマーである。多くのコピーレンズの中でこれほどコピーされたものもないだろう。と言ってもエルマーもツァイスのテッサーのパテント逃れのレンズであるが。


FISONライカのレンズの中では一番求めやすいが、古いレンズなので状態に注意されたし。特に沈胴レンズ特有の鏡胴の強度の弱さは、今になって沈胴部のガタになってきている。

スクリューマウントの一番人気は赤エルマー(2枚目の写真)である。絞りのスケールが赤い。レッドスケール・エルマーとも呼ばれる。FIKUSそれから、ニッケル・エルマーと呼ばれるニッケルメッキのエルマーである。

バリエーションは初期のニッケルメッキとクロームメッキ。絞りはf18、f16、f22と変遷が激しい。赤エルマーは最後のバリエーションでf22である。エルマー初期の頃はバルナックT型のレンズであるのでシリアルナンバーがなく、ボディーナンバーのしも3桁が刻印してあるものがある。結構レアものであるが、距離計には正確に連動しない。コーティングは戦後からである。



ウォーレンサック(WOLLENSAK) 50o f3.5

ウォーレンサック(WOLLENSAK) 50o f3.51945年
製造本数:?本
シリアル:?
レンズ構成:3群4枚
最小絞り:f16
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:36o
フード:?

正式にはウォーレンサック社のベロスチグマット(Velostigmat)と言うレンズ。アメリカのライカ販売の代理店、ニューヨーク・ライツ社はかなり当時のライツ社に対して強かった。それはアクセサリーに多く見られドイツのライツ社が応じないものはニューヨーク・ライツ刻印でライツ製品を作るほどだ。レンズでは50、90、127mmなどアメリカのレンズメーカ・ウォーレンサック社に作らせ、当時のライカ・スタンダードやバルナックU型用に販売していた。第二次世界大戦によりドイツからのレンズ供給が間に合わなかったと言う背景を持つ。

このレンズウォーレンサック50oはおそらくエルマーのコピー。コーティングは施してある。製造本数は不明である。

エルマー(ELMAR) 50o f2.8

エルマー(ELMAR) 50o f2.81957年
製造本数:27357本
シリアル:約1459000-1950000
レンズ構成:3群4枚
最小絞り:f16
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:39mm
フード:ITOOY(1580)、IROOA(12571)

ITOOY (1580)バルナック型ライカのVgの標準レンズとして発売された。それまでのエルマー50mmf3.5のデザインを一新して登場、レンズ硝材が変わって一段明るくなった。M型ライカ用のエルマー50of3.5とデザインは同じだが、M型用のf3.5より内面反射防止が弱いため逆光には弱い。フードはIROOAもつかえるが、標準としてはITOOYである。

ヘクトール(HEKTOR) 50o f2.5

ヘクトール(HEKTOR) 50o f2.51931年
製造本数:9646本
シリアル:ナンバー無-350000
レンズ構成:3群6枚
最小絞り:f18
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:36mm
フード:FIKUS(12530)


FIKUSこの本数以外に、ライカT型の固定レンズとして1330本が作られた。ほとんどがニッケルメッキであるが、少量はクロームメッキ仕上げ。初期の頃は無限遠のロックがない。

人気もあり、製造本数も少ないため、中古市場には出回りにくい。もし見つけたとしても内部の油揮発により曇りを生じているレンズあるので購入には注意が必要である。

ズマール(SUMMAR) 50o f2

ズマール(SUMMAR)50o・f2 固定鏡胴(ヒョットコ)1933年
製造本数:122860本(2000本固定鏡胴)
シリアル:156000-540000
レンズ構成:4群6枚
最小絞り:f18、f12.5
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:36mm
フード:FIKUS(12530)、SOOMP


ズマール(SUMMAR) 50o f2 沈胴ライツ社初めての大口径レンズだったが、ソフトすぎて人気がイマイチだった。発売当初は固定鏡胴だったが、すぐに沈胴式になった。固定鏡胴は2000本しかなく、中古市場で20万円以上する。もとめやすい沈胴タイプの値段と比べれば雲泥の差である。その形からヒョットコとも呼ばれる。SOOMP

ほとんどがクローム仕上げであるが、固定鏡胴はニッケルが多い。よってズマールで最もレアものは固定鏡胴のクローム仕上げである。

絞りは固定鏡胴はf18までであるが、沈胴はf12.5である。その他バリエーションはフロントリングが黒いもの、赤外線マークのないもの、レンズ先端にピンの付いたもの、f2.9に目盛りがあるものなどである。

フードはズマール独自のSOOMP、その他エルマー用のFISONが使える。硝材が柔らかいため、レンズ前面が傷ついているものがほとんどである。中古購入の際は、傷ついているものだと思って買うか、レンズ再研磨を前提に購入するしかない。

ズミタール(SUMMITAR) 50o f2

ズミタール(SUMMITAR) 50o f21939年
製造本数:170761本
シリアル:488000-1236000
レンズ構成:3群6枚
最小絞り:f12.5、f16
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:36mm
フード:SOOPD

ズマールの後続レンズ。ズミターと呼ぶ人もいる。外観はだいぶズミクロンの沈胴に似ている。例に漏れず戦後(1945年No.587601から)レンズはコーティング付き。SOOPD

絞りはNo.611000までf12.5で、その後はf16である。絞りも形も2種類あり、角形ものが6枚羽の丸形になった。レンズヘッド側面の形状はズミクロンと同様の溝のあるものがあり、こちらの方はフードがズミクロンと共用できる。写真は溝のないタイプで、フードはSOOPDを使う。これは折り畳み式である。

レアものとして、後のズミクロンの試作としてレンズ構成はズミクロンなのに鏡胴はズミタールのままのものがある。名前はSummitar*と刻印してある。

ズミクロン(SUMMICRON) 50o f2

ズミクロン(SUMMICRON) 50o f2 沈胴1953年
製造本数:60680本
シリアル:920000-1750000
レンズ構成:6群7枚
最小絞り:f16
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:39mm
フード:ITOOY(1580)、IROOA(12571)またはSOOPD、SOOFM

ズミクロン(SUMMICRON) 50o f2 固定鏡胴ズミタールの後続レンズ。1953年にバルナック型ライカに代わりM型ライカが発売になったが、ライカのスタンダードレンズであるエルマーを引きずり下ろし、ライカと言えばズミクロンと呼ばしめた。「空気レンズ」を採用したことはあまりにも有名。

92万台はレンズが黄色い。これはレンズ硝材のトリウムが経年変化で焼けている。カラーで写すとかなり黄色く出る。

少量だが、M型ライカ用に供給された固定鏡胴のズミクロンもスクリューとなって販売された。約1160本と非常に稀少。

クセノン(XENON) 50o f1.5

クセノン(XENON) 50o f1.51936年
製造本数:6190本
シリアル:285000-585000
レンズ構成:3群6枚
最小絞り:f9
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:51mm
フード:XIOOM


XIOOMツァイスのゾナーf1.5に対抗したいが、当時のライツにはその技術がなかったためシュナイダー社からライセンスを受け製造したもの。アメリカとイギリスへの輸出品にはTaylor & Hobsonの刻印が付けられた。

バリエーションは少なく、前期は3本のギザ帯で後期が4本。写真は前期のもの。またほとんどクロームメッキであるが、極めて少量だけニッケルが存在する。

ズマリット(SUMMARIT) 50o f1.5

ズマリット(SUMMARIT) 50o f1.51949年
製造本数:39181本
シリアル:682000-1725000
レンズ構成:3群6枚
最小絞り:f16
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:41mm
フード:XOONS(12520)

クセノンの後続レンズ。外見はクセノンそっくりだが、新ガラスが取り入れられいくらかは性能が向上した。ズマリットの初期にはクセノン同様、Taylor & Hobsonの刻印がある。
XOONS
最近では人気上昇No.1レンズかもしれない。しかしコストパフォーマンスも高い。カナダ製もあり、Canadaと刻印され、絞りリングに絞り値がレンズ鏡胴側に矢印が付いている。写真のドイツ製とは逆である。フードはズマリット独自のもの。



ズミルックス(SUMMILUX) 50o f1.4

ズミルックス(SUMMILUX) 50o f1.41960年
製造本数:548本
シリアル:1690000-1768000
レンズ構成:3群6枚
最小絞り:f16
最短撮影距離:1メートル。
フィルター径:43mm
フード:XOOIM(12521)、12586



ズマリットの後続レンズ。設計はズマリット同様。ランタンガラスのおかげで1段明るくなった。写真はMマウントであるのであしからず。
XOOIM
M型用のズミルックスは1961年(No.184万台以降)に新設計となっているのでこのスクリューマウントでもそうであろう。このLマウントは548本と非常にレアものである。

ズミルックス(SUMMILUX) 50o f1.4 1999年
また1999年に発売中だったMマウントのズミルックスを限定発売されたスクリューマウントがある。Mマントのものは最短撮影距離が0.7mであるが、このLマウントのものは1mである。

このほか限定でスクリューマウント製造されたレンズは、ズミクロン35oASPH、ズミクロン50oである。





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